広報

地元のニュースでロータリーの活動が報道されれば、地域社会でロータリーへの認識と理解が深まり、入会と参加への関心も高まります。

ニュース源としてのロータリー

ロータリーでは、日々、会員が世界各地で奉仕活動をしています。ビジネスや専門職のリーダーであるロータリー会員は、読者や視聴者が関心をもち、社会に役立つ情報や話題を記者に提供できます。

記者は何を求めているか

報道機関がどのような話題をどのような方法で入手することを求めているかを知ることで、メディアの関心を引ける可能性が高まります。話題を取り上げるかどうかを決める際、記者や報道機関は以下のポイントを重視します:

  • ニュースとしての価値:現在の出来事、今話題となっているトレンド、記念日など、社会的に旬な話題(例:社会問題や自然災害への対応、世界ポリオデーのイベントなど)
  • タイミング:近い将来に予定されている/実施中/完了したばかりのイベントやプロジェクトの話題
  • 関連性:多くの人に関連性のある話題(「ポリオが根絶されれば日本でも子どもへの予防接種の必要がなくなる」のように関連づけると効果的)
  • 注目性:有名人がかかわるストーリー(政界、ビジネス、文化、地元の著名人など)
  • 人間性:読み手や視聴者の感情を引き出すようなストーリー(例:クラブの支援によって生活が楽になった家族の話題、クラブが発展途上国に建てた学校のおかげで通学できるようになった子どもの話題など)
  • 視覚的インパクト:行動志向で生き生きとした写真や映像(設置した井戸の水を飲む子ども、ポリオワクチンを投与する会員など)
  • 裏付けデータ:ストーリーの背景や活動のインパクトを示す統計や調査データ

はじめよう

記者との関係を築いておけば、提供した情報を報道してもらえる可能性が高まります。また、地元の話題の情報源として頼りにしてもらえるでしょう。

地元記者と知り合いになる

広報用にメディア機関のリストを作り、記者の名前、連絡先、専門分野を含めましょう。地元のブロガーやSNSのインフルエンサーもリストに加えると便利です。記者に言われたことや留意事項を将来のために添えておきましょう。

多くの新聞社や放送局は、経済、暮らし・文化、社会など、分野別の専門記者がいます。就職支援活動の話題は経済担当記者、青少年交換やロータリー平和フェローシップの話題は教育担当記者、ポリオ根絶の話題は医療担当記者、クラブ会員のプロフィールは社会担当記者が関心を示すかもしれません。

記者に接する際のポイント

  • 先方の関心に合わせる:先方のメディアが好む分野やトピックに沿ったかたちで話題を提供しましょう。
  • 記者が好む連絡手段を知っておく:Eメール、電話、ファクスなど、好む連絡手段は記者によって異なります。相手が好む手段を知っておくとよいでしょう。わからない場合はEメールが無難です。
  • 問い合わせには即時に対応:記者は絶えず締切日に追われており、提供した情報について記者から問い合わせがあった場合には、即座に答えられるようにしなければなりません。写真、動画、統計、基本情報とデータなど、参考となる資料をいつでも提供できるようにしておきましょう。問い合わせへの対応が遅れると、掲載されない可能性が高まります。
  • 記者と会う機会を生かす:メディア関係者や記者に偶然出会うこともあるでしょう。そのような機会には、必ず自己紹介し、名刺を交換して、ロータリーが地元や世界で行っている活動について伝えましょう。
  • クラブの行事に記者を招く:広く社会に役立つ話題、特定業界の関心を引く話題、著名人の講演などには、記者も招待するとよいでしょう。また、奉仕プロジェクトやイベントにも記者を招きましょう。

話題を提供する

話題についてメディアに最初に連絡する際のポイント:

  • ニュース性があるか:読者が知りたいと望む情報、人間味あるストーリー、社会に役立つ内容など、客観的に見て話題性があるかどうかを吟味しましょう。
  • 正確な情報を簡潔に整理:具体的で正確な情報(可能であれば証拠となるデータや裏付け事実)を手元に準備してから記者に連絡を取りましょう。
  • フォローアップする:フォローアップは必要ですが、その回数が多くなりすぎないように気を付けてください。

以下は一般的なルールです:

  • まずはEメールで:ニュースリリースを送る場合は、簡単なメッセージを打ち、メール本文にニュースリリースを張りつけます。発行元のウェブサイトまたは記者の最近の記事にEメールアドレスが掲載されていることもあります。
  • その後、電話で連絡:Eメールを送っても返信がない場合は、電話でフォローアップします。留守番電話につながった場合はメッセージを残し、その24~48時間後にもう一度電話をします。
  • 事後報告:事前にメディアと連絡が取れなかった場合も、イベントの結果(チャリティーイベントの募金額、奉仕活動の受益者の声など)を話題として提供できます。

ソーシャルメディアでも話題をシェアしましょう。また、クラブのウェブサイトにも掲載し、そのリンクをロータリー公共イメージコーディネーターにお送りください。

掲載を断られた場合

提供した話題に記者が関心を示さない場合も、将来のために記者との関係を良好に保つことが大切です。今回がだめでも、次回には掲載されるかもしれません。

メディア掲載を促すそのほかの方法

記者への直接連絡に加え、ニュースリリースや記者への手紙を送ることで、活動やイベントへの関心を引き、取材へとつなげることができます。

ニュースリリース(プレスリリース)

ニュースリリース(プレスリリースとも呼ばれる)は、イベントや活動について報道してもらうためにメディアに送付する文書です。メディアの関心を引きつけ、もっと情報を知りたいと感じてもらえる内容にすることが大切です。

ニュースリリースは1ページにとどめ、誰が読んでもわかりやすい内容とします。見出し/出だしを工夫して記者の関心を引き付け、「誰が」「何を」「どこで」「いつ」「なぜ」といった具体的で正確な情報を必ず含めてください(特に「なぜ」は重要)。

記者への手紙と投稿記事

客観的な事実をメディアに提供するニュースリリースのほかに、記者に直接訴える手紙を書き、取材を促すこともできます。また、以前に報道された内容についてコメントしたり、情報を追加・修正したりする場合にも利用できます。多くのメディアは、読者からの投稿を掲載することで、時事問題や社会問題に対する幅広い意見を紹介しています。

掲載の可能性を高めるために、以下のヒントを参考にしてください。

  • 先方のメディアが字数制限など投稿のガイドラインを設けているかどうかを事前に調べましょう。
  • 文章は短く、簡潔に。長々とした文章は、忙しい記者には敬遠されてしまいます。
  • 言いたいことがたくさんあっても、メッセージやテーマは一つに絞り、最初の数行で趣旨が明確に伝わるようにします。
  • 最近の記事に対するコメントを述べる場合は、引用元/参照元(発行日、見出し)を必ず添えましょう。
  • 根拠となる事実やデータを挙げましょう。裏付けのない事実や根拠のない意見は説得力に欠けます。
  • 原稿を提出する前に何度も読み直し、誤字脱字がないかどうか、誰が読んでもわかりやすいかどうかを確認しましょう。
  • ロータリー用語は使わないでください。
  • 記者がフォローアップできるよう、連絡先を必ず含めてください。
  • 投稿した記事が掲載されない場合、記者/メディアに連絡し、書き直せば掲載の可能性が高まるかどうかを尋ねてみましょう。

【参考】『TIME』誌に掲載されたRI事務総長の投稿記事「How to Teach Anti-Vaxxers the Truth」(英語)

危機が生じた場合

危機が生じた際のメディアへの対応や問い合わせへの対応は、ロータリーとクラブの評判を守るために極めて重要です。 詳しくは「メディア危機管理のポイント」をご参照ください。質問のある方は、国際ロータリー広報担当部(pr@rotary.org)までお問い合わせください。

メディアとのインタビューのヒント

危機的状況への対応またはメディアとのインタビューに応じるための準備方法を知っておくことが大切です。

テレビインタビューなど、メディアと話す際のポイントはこちらをご覧ください

カスタマイズ可能なテンプレート

クラブや地区の活動をメディアに紹介するために、ニュースリリースや編集者への手紙をカスタマイズしてご利用ください。


リソース&参考資料

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